雛菊の剣
豊高の不良たちに絡まれる雛菊と陽子。
雛菊は顔を見せぬ青年に救われる。
屋上に残された白骨死体。
彼の目的は…。
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ちゃんと私を楽しませてよ/雛菊の剣(#15)
Category 小説
駆けていた九郎が立ち止まった。太閤といた女がいやらしい笑みを浮かべて、体を艶かしく動かしながら前からゆっくりと歩いてきた。
「どうしたの?ふらふらしながら同じところをぐるぐる走ってるわよ。私を探してたのかしら?」
高らかに笑う女。九郎の顔には何の感情も表れない。
「私は麝香。坊やは私がまいた香りをかいで、方向感覚がおかしくなってるのよ。そして、これ」
麝香が手を大きく振ると、回りに淫靡な匂いが広がった。
「これで、坊やは私の奴隷。あそこが大変なことになってるでしょ」
麝香が九郎に近づいてくる。
「飛びかかってこないなんて、最初のが効きすぎてもう動けないのかしら。ちゃんと私を楽しませてよ」
麝香が九郎の前で止まり、九郎の股間に手を伸ばそうとしたとき、九郎は麝香の顔に唾を吐いた。麝香はへたへたと座り込み、嘔吐し始める。麝香が顔を上げた瞬間、九郎は再び麝香の顔に唾を吐いた。
「熱い、あそこが熱いよ。あたしを滅茶苦茶にしてー!」
麝香が悶え始めた。九郎が右拳を硬化させて、麝香の頭に振り下ろそうとしたとき、苦無が九郎目がけて飛んできた。右拳で苦無を叩き落す九郎。麝香が来た闇から太閤といた冷たい目をした男が現れた。
「お前と闘うつもりはない。俺は虎牙。そいつを連れて帰りたいだけだ」
虎牙は両手をあげながらゆっくりと近づいてきた。九郎は右拳の硬化をといている。虎牙は寝転びながら悶えている麝香の傍らに座る。延髄に手刀をあてて気絶させて、麝香を肩に担ぎ上げた。
「最初の唾は麝香が使った混乱の香りを凝縮したもの。で、次が催淫の香りを凝縮したものか。えげつないことする奴だな。お前、本当に人間か?」
九郎は何も答えようとはしない。
「俺たちのボスは、お前が俺たちの邪魔になるようだったら、殺すか仲間にしろと言った。で、麝香がお前を仲間にしようとしたんだ。俺は出来ればお前と闘いたくはない。お前も俺たちの邪魔をするな」
九郎は表情を変えず、ただ虎牙の目を見ている。
「何も言わないってことは、いいんだな?」
九郎は何も答えない。
「じゃあな」
虎牙は麝香を肩に担いだまま走り去った。しばらく動かずにじっとしていた九郎の額に汗がにじみだし、呼気が荒くなる。
『なんだ、あの男の迫力は…あの時は牙を隠していたってことか…まあいい、急ごう』
「どうしたの?ふらふらしながら同じところをぐるぐる走ってるわよ。私を探してたのかしら?」
高らかに笑う女。九郎の顔には何の感情も表れない。
「私は麝香。坊やは私がまいた香りをかいで、方向感覚がおかしくなってるのよ。そして、これ」
麝香が手を大きく振ると、回りに淫靡な匂いが広がった。
「これで、坊やは私の奴隷。あそこが大変なことになってるでしょ」
麝香が九郎に近づいてくる。
「飛びかかってこないなんて、最初のが効きすぎてもう動けないのかしら。ちゃんと私を楽しませてよ」
麝香が九郎の前で止まり、九郎の股間に手を伸ばそうとしたとき、九郎は麝香の顔に唾を吐いた。麝香はへたへたと座り込み、嘔吐し始める。麝香が顔を上げた瞬間、九郎は再び麝香の顔に唾を吐いた。
「熱い、あそこが熱いよ。あたしを滅茶苦茶にしてー!」
麝香が悶え始めた。九郎が右拳を硬化させて、麝香の頭に振り下ろそうとしたとき、苦無が九郎目がけて飛んできた。右拳で苦無を叩き落す九郎。麝香が来た闇から太閤といた冷たい目をした男が現れた。
「お前と闘うつもりはない。俺は虎牙。そいつを連れて帰りたいだけだ」
虎牙は両手をあげながらゆっくりと近づいてきた。九郎は右拳の硬化をといている。虎牙は寝転びながら悶えている麝香の傍らに座る。延髄に手刀をあてて気絶させて、麝香を肩に担ぎ上げた。
「最初の唾は麝香が使った混乱の香りを凝縮したもの。で、次が催淫の香りを凝縮したものか。えげつないことする奴だな。お前、本当に人間か?」
九郎は何も答えようとはしない。
「俺たちのボスは、お前が俺たちの邪魔になるようだったら、殺すか仲間にしろと言った。で、麝香がお前を仲間にしようとしたんだ。俺は出来ればお前と闘いたくはない。お前も俺たちの邪魔をするな」
九郎は表情を変えず、ただ虎牙の目を見ている。
「何も言わないってことは、いいんだな?」
九郎は何も答えない。
「じゃあな」
虎牙は麝香を肩に担いだまま走り去った。しばらく動かずにじっとしていた九郎の額に汗がにじみだし、呼気が荒くなる。
『なんだ、あの男の迫力は…あの時は牙を隠していたってことか…まあいい、急ごう』
人里離れた山中。天を突く巨木の前に立つ九郎。九郎は巨木を思い切り蹴る。
「おい、おやじ!」
再び、巨木に渾身の蹴りを入れる。
「起きろ!くそおやじ!」
どこからともなく声が返ってきた。
「なんだ、九郎か。七郎を殺したそうだな」
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